Fujilog#3 「他者との対話」に学ぶ

Y-GSAに来て1年がたちようやくその生活に慣れてきた。Y-GSAは講評会が何しろスリリングだ。4教授それぞれ世代も考え方も異なるから、ビシビシと色んな角度から批評を受ける。4人とも歯に衣着せぬタイプであることが共通点だろうか。

他の大学院のスタジオを覗き見るとある程度の作業量と作業レベルがあれば「良くできる生徒」扱いを受けるのに対して、Y-GSAは今までの作品に関係なくその都度きびしい批評がある。もちろん厳しければ良いというものでもないが、こちらとしてはわざと厳しくしているわけでもなく、4教授とも事務所内と同じテンションで全力で批評してくる感じだ。

大変にハードだが、伸びる学生はべらぼうに伸びる。

しかしどうやら今のところ一番伸びているのは、助手のような気もする。Y-GSAの助手は、学生と同じく、4スタジオを順繰りに巡っていくので、4つのメソッドを吸収できる。(教授からすれば半年ごとに助手が変わるので全く楽ができない。)歴代の助手を見ても、末光さん、SALHAUSの日野さん、三浦さん、大西さん、畝森さんなどそもそも助手になる前から優秀であったが、さらにぐんぐん伸びている。

どんな学生でも伸びているわけではないのがポイントで、学生の皆さんはもちろん伸びたいだろうからこのあたりが気になるだろうが、統計を取っているわけではないのだけど伸びている学生を見ていると、設計課題の実力以前の人間力、例えば「性格の明るさ」「前向きさ」「人への興味」「好奇心」が重要なファクターな気がしている。

Y-GSAは真面目。社会的と。言われることが多いが、そもそも社会を考えるというのは、普段の思想の延長でよいはずなので、気負って勉強するものでもなく、しなければ評価されないからするというものでも、もちろんないというこの部分を読んで、そりゃそうだ。と思う学生はきっとY-GSAで伸びると思う。

社会的なキャラクターは当たり前だからと取り去って、Y-GSAを観たときに見えてくる魅力は、やはり4教授の歯に衣着せぬ多様なコメントである。西沢さんの歴史意識溢れるはっとさせられるシャープなコメント、小嶋さんのどーんと戦略的なひとこと、北山さんの永遠の学生運動家のようなロマンチックなメッセージ、私のおばちゃん的おしゃべりトーク。こんなに建築にまつわる言語が、豊富で多様な場所はないのである。

2_0709_毎日