稲村の森の家 Inamura House and Gardens

家と町との関係を解体・再構築することで、家が新しい家族像の受け皿になるではないかということを考えた。

試みたことは極めてシンプルである。

1、擁壁を切り崩し、半地下の駐車場の壁をぶち抜いて、街から回遊できる前庭空間をつくった。

2、前庭をまたぐようにパーゴラをかけ、前庭とパーゴラによって街と住居の間に<閾>が折り重なるような中間域をつくった。

3、住居の1階は、家族とこの場所に集まる友人・知人・地域の人のための溜まり場のような場所であり、ダイニングルームや食堂や集会所のように機能する。

4、住居を取り巻くように複数の庭がつくられる。森を耕すための作業場であり、野菜や果樹を育てる菜園。

5、あらゆる空間はできるだけ意図を持ちすぎないように設計され、ただし能動を引き出すためのきっかけは埋め込む。

6、庭/庭をながめる座/という外部との関係からつくられる空間と、集まって話す/食事をする/作業をするというような行為からつくられる空間が折り重なり、多数の人やグループが思い思いに時間をすごせるようなおおらかな環境を目指している。